意外に知られていない「あんこう」の知識
アンコウ科。「鮟鱇」の語源は「エサを捕るのに他の魚と争うことなく、安康な生き方をしている」という意味で、事実、海底にジーっとして、口を開けて獲物を待っている魚です。
そのため、怠け者のことを「あんこうのまち食い」と言います。
調理する時は体を7つの部分1、 キモ( 肝臓= アンキモ、海のフォアグラと呼ばれ、酒の肴として最高)、2、 カワ(皮)、3、ヌノ(卵巣)、4、ヤナギ(身肉、ほお肉)、5, トモ(尾ヒレ)、6. エラ、7. 水袋(胃) に切り売りされるので、「娼婦」の別名があります。
「西のフグ、東のアンコウ」と言われるほどの旨さで、関東では冬を代表する味覚の1つ。仏マルセイユの名物料理・ブイヤベースにも欠かせません。
「あんこ型」は肥満の力士、「鯨鰊が酒粕に酔ったよう」は酔っ払って醜くなった顔、「鞍鰊武者」は臆病なのに強がりを言う武士のことを言います。
言葉としては、あまりよいイメージで使われないものの、あんこう料理は体を温め、栄養をつける冬の活力源です。