意外に知られていないごぼうの知識
キク科の越年生草本で、ヨーロッパからアジアの熱帯地域原産。中国では最初、薬草として用いられ、日本へも千数百年前に薬草として伝えられました。平安時代から食用になりました。
主に炭水化物より成っていますが、その中のセルロースやリグニンなどの炭水化物(食物繊維)は腸のぜん動を刺激し、腸内の善玉菌の発育を助けることなどにより、便通をよくします。
その結果、コレステロール、中性脂肪、糖分、発ガン物質などの余剰物や有害物が大便とともに排泄され、高脂血症(脳卒中、心筋梗塞)、糖尿病、大腸ガンなど、栄養過剰で起こる生活習慣病の予防・改善に役立ってくれます。
特に、リグニンには強力な大腸ガン予防効果があることがわかっています
「本朝食鑑」に「ごぼうは男性の強精剤である」という内容がありますが、ごぼうに含まれるアルギニンによる滋養強壮であると思われます。
東洋医学による「相似の理論」からすると、人間の下半身は植物の根に相似するので、ゴボウが下肢・腰の力をはじめ、泌尿生殖器の力を強化ごぼが下肢、腰の力をはじめ力、泌尿生殖器の力を強化するのは当然です。
俗に「ごぼう5時間、にんじん2時間、やまいもたちまち」と言われる理由もよくわかります。腎臓の働きを高め、利尿作用があることも、この理屈からよくわかります。科学的に言うと、ごぼうに含まれる利尿成分はイヌリン(炭水化物)です
フランスの植物療法家、M・メッセゲ氏はごぼうを薬草として用い「頭の皮膚病の草」と呼んでいます。ごぼうにはタンニンが含まれ、消炎作用や収斂作用を発揮しますので、皮膚病の他、潰瘍ややけどに奏効するわけです。また解毒作用や発汗作用にもすぐれ、にきびや発疹など、体内に老廃物が溜まって起こる病気にも効果を発揮します。