意外に知られていないとうがらしの知識
南アメリカのアマゾン川流域原産。ナス科の一年生草本。
メキシコやペルーでは古くから食用にされていましたが、ヨーロッパへは、コロンブスが1493年に伝えたとされています。
中国へは明朝の末期頃にシルクロードを経てもたらされました。日本へは、豊臣秀吉の朝鮮出兵(1593〜98年)の時に持ち帰ったとされています。
学名の「Capsicum annuum」の「Capsicum」はギリシャ語の「Kaptein」「食欲を刺激するもの」に由来し、「annuum」は一年草という意味です。
強烈な辛味は、カプサイシンというアルカイドで、特に果皮に多く含まれており、食欲増進、血液の循環促進などの他、殺菌作用もあります
日本では、七味唐幸子としてよく知られていますが、これは陳皮(ミカンの皮を干したもの)、ゴマ、芥子(ケシの実)、麻(アサの実)、山椒、菜種にとうがらしを加えたもので、そばやうどんにかけて食べると食欲が増し、消化吸収を促進するだけではなく、食べているはなから体が温まり、心身共に気分がよくなります。
また、とうがらしの保温効果は、古くから活用されています。昔、旅人は道中、腹や腰の冷えを防ぐために、腹巻の中にとうがらしを入れて歩いたと言われています。
ちなみに、とうがらしには意外とビタミンが多く含まれ、カロチン、B1・B3の他、Cはかなり多量に含まれています。香辛料としての他にも、未熟果実は味噌焼きにしたり、揚げ物、煮物などに利用し、葉は佃煮、熟果は干して辛味や香味を利用したキムチ、朝鮮料理、ラー油、ソース、菓子(柿の種)に利用するなど、用途の広い野菜です。