意外に知られていないしょうがの知識
熱帯アジア原産の、ショウガ科の多年草。日本には稲作と共に弥生時代に渡来しました。学名の「Zingiber officinale」は「薬用になる」という意味。です。
私たちが用いている医療用漢方薬の70% 以上にしょうがが用いられており、「しょうがには漢方は成り立たない」と言われるほどです。
16世紀頃に英国でペストが流行し、ロンドン市民の3分の1もが次々と死んだ時「しょうがを食べていた人は死ななかった」ことがわかり、当時の王、ヘンリー8世が、ロンドン市長に命じて「市民はしょうがをしっかり食べるように」と奨励したというエピソードが残っています。
しょうがの薬効は、辛味成分のジンゲロン、ジンゲロール、ショウガオールや、芳香成分のジンギペロールなどの総合作用により醸し出されています。
寿司には必ずしょうがが添えてありますが、ジンゲロンやショウガオールには強力な殺菌作用があり、タネの魚介類による食あたりを防ぐ意味があります。また、寿司を食べすぎても案外胃腸を壊さないのは、ジンゲロンの健胃作用によるものと考えられます。
その他、しょうがの効能として
しょうがには「意気、軒高、元気」の意味がありますが、科学的にも、全身の細胞の新陳代謝を克進させ、特に大脳や延髄の呼吸・循環中枢を刺激して、全身の機能を高め、気力、体力、免疫力を高める、という、まさに心身の万病の妙薬というところです。