意外に知られていない「グレープフルーツ」の知識
西インド諸島原産のミカン科の常緑小高木。「pomele」いうのが本名ですが、実が枝先に固まってつき、「まるでブドウのように房になつて実るフルーツ」という意味で、「grape(ブドウ)fruit(フルーツ」という名が付いています。
もともとは東洋産のブンタン(ザボン)が西インド諸島で突然変異を起こしてできたものが、1750年頃、バルバドス島で発見され、19世紀にアメリカのフロリダに持ち込まれ、現在のグレープフルーツになりました。
現在、フロリダとカリフォルニアで世界の生産量の80% を出荷しています。日本には1915(大正4年)、米国から伝えられましたが、湿気と低温のために栽培に適さず、和歌山以外ではほとんど生産されていません。
グレープフルーツは香りがよく多汁で、苦味と酸味を帯びた爽やかな風味が特徴です。含有成分は他の柑橘類とほぼ同じですが、ビタミンCは約40mg(100g中) で、レモン、オレンジに次いで多い果実です。
そのため常食すると、脳卒中などの脳血管障害や心臓病の予防になります。酸味のもとであるクエン酸は、だ液や胃液の分泌を促し、食欲増進や胃腸機能の増強に役立つので、アペタイザーとして食前に食べるのもよいでしょう。
グレープフルーツには白肉種(ホワイト)と赤肉種(ルビー)がありますが、ルビーのほうがβ・カロチン含量は多いので、体内の活性酸素を除去する力が強く、ガン予防には、より有益です。ツヤがあり、ズシリと重みがあるものほど新鮮なので、店頭で買う時のチェック・ポイントにされるとよいでしょう。
グレープフルーツは、ジュースや缶詰として用いられる他、ペクチン(食物繊維)が多いので、マーマレードにもよく利用されます。精油は、香料にも用いられています。