意外に知られていないれんこんの知識
はすは束アジアの温帯・熱帯産のスイレン科の多年生水草。
7月から8月頃、大型の薄紅色の花が朝日と共に開花し、午後3時頃閉じます。
これをくり返して4日目に散る、という面白い花で、その種子は三千年もの間、発芽力を保持することができます。このことを、千葉市検見川の3千年前の地層から見つかったはすの種子を発芽させ、実証してみせたことは有名な話です。
日本には古く中国から渡来し、万葉時代は、花が終わって果実ができる頃、果実の入っている花托の形が「蜂の巣」に似ていることから「蜂巣」と呼ばれ、後に「ち」が発音されなくなって「はす」になったとされています。
地下茎(れんこん)の主成分は炭水化物で、でんぷんと同様に食物繊維が存分に含まれています。ビタミンもミネラルも存外に多く含まれており、ビタミンC はレモンの含有量と同じくらい豊富ですし、貧血の改善に必要な鉄も多く含まれています。
黒ずみのアクの成分はタンニンで、収赦、止血、止‥渇、消炎作用があるので、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の出血、鼻血に奏効します。
れんこんを切る時生じる糸を引くような特有の粘り気はムチンで、胃もたれ、胸やけ、消化不良に効きます。
江戸時代の「日養食かがみ」に、れんこんについて「胃を開き、食を消し、酒毒を解し、産後の血分の病、また吐血、下血、略血を治す」とありますが、科学的に見ても正しいことがわかります。