食材の知識 きのこ

意外に知られていないきのこの知識

新鮮な「きのこ」

腸内の老廃物を掃除してくれる“ダイエット食”

効能
  • 腸内老廃物の排除
  • 免疫力を高める

きのこ類は、担子菌類に属する微生物の子実体で、日本には約3000種のきのこが存在していますが、食用、薬用として利用されているのは約300種です。

『古事記』『日本書紀』にもきのこの記録があるので、古くから食用にされていたようです。

きのこの特徴は風味(香気)と旨味にありますが、香気の成分はレンチオニン(しいたけ)、メチルシンナメート(まつたけ)などで、旨味の成分は、グルタミン、グルタミン酸、アラニンなどのアミノ酸です。

きのこの栄養学的特徴は、容量が多く満腹感が得られるのに、低カロリーであることです。つまり格好のダイエット食になります。

また、食物繊維が40% も含まれているので、腸内の有害物・老廃物・毒・発ガン物質を排泄し、血液をきれいにしてくれます。

さらに、きのこに含まれるエルゴステリンは、日光の紫外線の働きでビタミンDに変わり、腸内でのカルシウムの吸収を助けてくれます。ただし、カルシウム自体の含有量は少なく、また、ビタミンA(カロチン)やCの含有量もほとんどゼロです。

日本の代表的なきのこの一つであるしいたけは、シイの朽木に寄生するキノコで、昔から不老長寿の食べ物として珍重されてきました。このしいたけは、ビタミンB1・B2、カリウムが多く含まれている上、シイタケに特有の成分として、血中コレステロール値を下げるエリタデニンやガン細胞の増殖を抑制するレンチナンがあります。

「匂いまつたけ、味しめじ」と言われるまつたけは、京都府、兵庫県、岡山県などで以前は多くとれましたが、今は生産量が激減し、中国や韓国、カナダから輸入されるようになりました。まつたけにはビタミンB2・C・D が多く含まれますが、何といってもまつたけの一番の特徴は、あの独特の香気と旨味による食欲増進効果でしょう。しめじの旨味は、グルタミン酸やリジンによるもので、鍋物や炊き込みご飯によく用いられます。

なめこ独特のぬめりの正体はムチンで、これは、タンパク質、アミノ酸の吸収をよくしてくれるので、味噌汁の具にはもってこいです。

マッシュルームは世界中で栽培されており、日本のしいたけ、中山国のふくろたけと並び、世界の三大キノコとされています。食物繊維を多く含み、血中コレステロール値の低下作用を有します。

まいたけは、多糖類のグルカンを含有するので、免疫力を上げ、ガンに効くと喧でん伝されています。しかし、束洋医学的に言えば、ガンの原因は「血液の汚れ」であり、これをきれいにしない限り本当の予防や治療はありえません。その点、まいたけをはじめきのこ類は食物繊維を多量に含み、胃腸の掃除をすることによって血液をきれいにし、なおかつ免疫力を増強するレンチオニンやグルカンを含むので格好の抗ガン食品です。

しかし、きのこさえ食べていればガンにかからないとする考えは危険です。食生活を含め、運動、精神生活を正し、体を温めることが、ガン予防、治療の要諦になるのですから。

なお、東洋医学的に言うと、きのこは容量があるわりに軽く、水分も多くて冷たいので、体を冷やす陰性食品です。したがって、よほどの陽性体質の人以外は、熱を加えて調理して食べるべき食品です。肝臓病、心臓病、腎臓病、高血圧、風邪、魚の中毒、肥満症に効くとして民間療法で重宝されている「しいたけの煎じ汁」もとろ火で煎じ、十二分に熱が加えられたものです。

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