意外に知られていない「かき」の知識
中国揚子江沿岸原産のカキノキ科の落葉高木。飛鳥時代の「新撰姓氏録」に「柿本人麻呂の庭に柿の木があった」という記載があるので、「かき」の日本への伝来は相当に古いと考えてよいでしょう。
平安時代は、干し柿用にかきの木が数多く栽培されていたとのこと。今日では、ヨーロッパや南アメリカでも、「KAKI」として青果店の店頭に並んでいます。
おからは胃腸の水はけをよくするので、疾を生み出す原因となる水分をシャットアウトするのに役立ちます。そこで、肺や気道の炎症によって起こる咳や疾に、すぐれた効果をあらわします。一方、体に正常な潤いを与える働きも併せもち、胃腸の粘膜をなめらかにしてくれます。そのほか熱を冷まして解毒を促進する働きがあるので、おからを妙って患部に貼るなど外用すればおできを治す効果が得られます。
しかし、生柿は「冷やす作用」が強いので、発熱や二日酔いにはよいのですが、食べすぎると腹痛や下痢が起こることがよくあります。そのため、リウマチ、神経痛など、冷えからくる陰性病には、かきは禁忌食です。
ところが干し柿になると、太陽の熟をいっぱい含んでいるため「冷やす作用」はなくなり、漢方でも「体力を補い、胃腸を丈夫にし、咳や疾を癒し、喀血を止め、二日酔いにも効く」というス優れものに変化するわけです。
葉(特に若葉)には、ビタミンC ・K・B 類が多く含まれていて、止血作用や血管強化作用があります。さらに降庄作用のあるケンフェロール・3・グルコサイドヤクエルセナン・3・グルコサイドを含むので、高血圧症の人は青汁の材料にするとよいでしょう。