意外に知られていない「すもも/プルーン」の知識
バラ科。コーカサス南部原産の西洋すももと、中国が原産のすももとがあります。
中国原産のすももは日本に最も古く渡来した果実の1つと言われ、「古事記」「日本書紀」「万すもも葉集」にも登場します。酸桃の名の通り、熟さないと酸味が強く、熟すと甘くなります。大型の欧米種は、生をプラム、乾燥させたものをプルーンと習慣的に呼んでいるようです。
中国では、古くから健康を保つための重要な果実(五果)の1つとして大切にされてきました。
肝臓の働きや血液の循環をよくして、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、のぼせ、生理不順、生理痛など、疹血(血行不順)の諸症状に効く、と記されています。
酸味成分は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸で、糖分と同様に疲労回復に効果があります。また、鉄の含有量が果実の中ではズバ抜けており、貧血の予防・改善に最適。貧血の治療薬の鉄剤を服用して「胃もたれ」が生じる人は、プルーンを代用するとよいでしょう。
特にドライプルーンは、鉄、ビタミンA 、カルシウム、カリウムなどのビタミン、ミネラルが濃縮されて大量に含まれる、すぐれた健康食品です。食物繊維のペクチンが多く含まれていることも特徴で、「緩下剤」としてもすぐれています。
また、万病の一因と目されている活性酸素を除去するクロロゲン酸などの存在も確認されており、プルーンの健康効果がますます注目されています。その他、毛細血管を引き締める(収斂)作用のある物質も含まれるので、外傷や出血性の病気にも有効です。