意外に知られていない「さけ」の知識
さけ科。 さけ と ます は同じ科で、 さけ には尾ヒレに切れ込みがあり、 ます にはそれがなく三角形をしているなど、学問的には区別されていますが、流通ではこれを分けるのは難しく、広くさけます類という呼び方がされています。
さけ は川で産卵し、ふ化すると稚魚はほぼ1年間川に棲み、体長 6 cm くらいになると海に下っていきます。4年で成魚になり、産卵のため9月から1月に自分が生まれた川に戻ってくる(回帰性ことは有名です。
川を上る(遡河)産卵準備期にはエサを摂らないので、その直前の夏に沿岸で捕れたものが一番旨いとされています。
さけ の語源もアイヌ語の「しゃけんべ(夏の食べ物)」に由来しています。
欧米では、以前、 さけ は川魚という観念があったため、まずくて安い魚とされ、召し使いや小作人が主人と契約する際「1週間に3回以上、 さけ の料理を食べさせないこと」という一文が付いたというエピソードがあるほどです。
しかし、今では、 サーモン・ダイエット という言葉もあります。つまり、牛や豚の肉の代わりに、 さけ を食べて減量しようというものです。
漢方の「相似の理論」からすると、サーモン・ピンクという言葉があるように、 さけ の肉は赤い(アスタキサンナンという赤色カロチノイドによる) ので、体を温め、かつ、引き締めてくれます。そのため、冷え性 貧血 肥満 の人にとっては、格好の食物ということになるわけです。
栄養的にも、さけの肉 100g 中に、たんぱく質 21 g 脂肪8.4 g が含まれています。また、たんぱく質の吸収をよくするビタミンB2やB6も多く、 さけ のたんぱく質の吸収や利用効果がよいという根拠になっていますし、脂肪は、動脈硬化や血栓を予防する EPA や、脳の働きをよくする DHA が多く含まれていますので、ボケ防止も期待できます。
特に、 いくらや すじこには、老化予防、若返りのビタミンである ビタミンE が多く含まれています。