意外に知られていないほうれんそうの知識
アルメニアからイランにかけてが原産のアカザ科の越年生草本。
日本には江戸時代の初期に中国から伝わったものと、明治以降に西洋から入ってきたものがあります。
テレビの人気アニメ『ポパイ』は窮地に立つとほうれんそうを食べ、とたんに百人力になったものですが、事実、β-カロチン、B群、C 、E 、葉酸(悪性貧血に効く)、K (止血作用)などのビタミン、鉄(血色素の原料)、マンガン(造血に必須)、亜鉛(強精、新陳代謝に不可欠)、リン、マグネシウム、ヨード、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルを存分に含む超健康食品です。
トリプトファン、シスチンなどの動物性タンパク質に似たアミノ酸を含むので、格好のタンパク源となります。
ほうれんそうの効能として特筆すべきは、胃腸を浄化、清掃し、それを再建、再生する強力な薬理作用を持っている点です。またほうれんそうには、脳下垂体ホルモンの分泌を正常化して、内分泌全体のバランスを正常に保つ働きがあり、体内の尿酸を排泄させる作用もあり、痛風にも奏効するとされています。
さらに豊富に含まれるクロロフィル(葉緑素)は血液中の有毒物を浄化し、特にダイオキシンの排泄を促進することが知られています。
なお、「ほうれんそうに含まれる、シュウ酸が結石を作る」とよく言われますが、国立栄養研究所の研究発表によると、「ネズミの食物中に、毎日3%のシュウ酸を1ヶ月与え続けてやっと結石ができた」と報告されています。人間に当てはめると、1日10束(約3kg)のほうれんそうを生のまま1ヶ月食べ続けるのに相当します。1日100~200g のほうれんそうを毎日食べても何の支障もない、と言ってよいでしょう。