意外に知られていない「あゆ」の知識
アユ科のあゆは一科一属一種という珍しい魚で、日本以外では朝鮮半島、台湾、中国の一部にも多少分布しています。
あゆには「年魚」(1年で生命が果てる魚)という別名があります。
『和名抄』にも「春生じ、夏長じ、秋衰え、冬死す。故に年魚と名付く」とあり、1年でパーツと散るあゆの「滅びの美学」は、日本人があゆを好む一因でもあるようです。
あゆは他に「香魚」とも言われるのは、石についたケイ藻やラン藻を主食とし、藻の香りが魚体に染みついているためで、英語でも「Sweetfish」と呼ばれます。
あゆは、100 g 中にたんぱく質約18 g 、脂質6 gが含まれ、ミネラルはカルシウムや亜鉛、マグネシウムが多く含まれるので、強壮・強精作用が期待できます。
一般的には、塩焼きにして、タデ酢( 蓼の葉を刻んで二杯酢に混ぜたもの) で食べると美味です。また、あゆの腸を取り出し、塩をたくさん混ぜて「ウルカ」にし、お湯を入れて飲むと下痢の特効薬になります。