意外に知られていないはくさいの知識
中国の華北から東北部(旧満州)が原産のアブラナ科の越年生草本。
かぶと漬菜を交配して作られたもので西暦600年頃から栽培され、中国では「菜類中で最も常食するもの」とされています。日本でも、鍋物や漬物、汁物などに大いに利用されていますが、日本へ入ってきたのは1866(慶応2)年。
別名の「蕪」は、「松のように寒さに耐える野菜」なので、草かんむりを付けて名付けられたもの。冷涼な気候を好み、主に関東や東北でとれるので、体を冷やす作用もなく、冷え性の人も安心して食べられます。
学名の「Brassica rapa subsp. rapa」も西洋のキャベツに匹敵するほどの使途と栄養があるという意味で、北京のキャベツ(Brassica)と付けられ、英語でもゆえん「Chinese cabbage」と言われる所以です。
ビタミンCが22mg( 100g中)と多く含まれ、冬場のビタミンC補給に重宝な野菜です。また、外傷の治癒促進や強精に作用を発揮する亜鉛や、発ガン物質の亜硝酸アミンを排泄するモリブデンというミネラルを含み、その上、抗ガン成分のジチオールチオニンも含んでいます。鉄やカルシウムも比較的多く含有されています。
はくさいは「腸胃を通利し、胸中の煩を除き、酒渇(飲酒後の口渇)を解す」とありますが、はくさいには食物繊維が多く含まれており、整腸、緩下作用にすぐれていることからも十分に理解できます。肉料理であるスキ焼きの中に好んで用いられる理由もこのあたりにあるのでしょう。
ぬか味噌漬けにした場合、ビタミンCの量は存分に保たれたまま、ビタミンB1、B2が増え、整腸作用も強化されます。