意外に知られていないにんにくの知識
中央アジア原産のユリ科の多年生草本。
「旧約聖書」にも記載されているほど歴史は古く、エジプト、ギリシャの時代から栽培されていました。日本には、十世紀頃中国より伝わり、「古事記」「日本書紀」には「悪疫退散のために用いられた」と記されています。
和名「忍辱」は「侮辱を耐え忍ぶ」という意味ですが「僧侶が激臭に耐え忍んで食べるほど薬効がある」ことからきています。
古代ギリシャやローマ時代から「農民のための万能薬」と呼ばれ、ローマの兵士は出陣前に食べて精気をつけたと言われています。
エジプトのピラミッドや中国の万里の長城を造るために使われた奴隷たちの活力源も、このにんにくでした。19世紀の初めにロンドンでまんえん伝染病が蔓延した時も、にんにくを欠かさなかったフランス人牧師だけが、病気にかからなかったというエピソードがあります。
にんにくのこうした作用の主役は、あの強烈な臭いのもとになるアリシン(硫化アリル)で、にんにくに含まれるビタミンB1と結合してアリチアミンに変わり、疲労回復や滋養強壮効果を発揮します。
アリシンは食中毒や感染症に対して殺菌効果も発揮します。また、無臭成分のスコルジニンも、新陳代謝の促進や滋養強壮に効果があります。
にんにくの効果は
ただし、多食すると、胃腸の粘膜を荒らしたり、眼を傷めるという報告もありますので、眼痛、潰瘍、胃腸虚弱の人は少なめに食べてください。