意外に知られていないレタスの知識
ヨーロッパ中南部、西アジア、北アフリカ原産で、キク科の越年生草本。
古代ギリシャ、ローマ時代から栽培されていたようです。
日本にも中国原産の「ちしゃ」が平安時代に渡来していますが、同種と考えてよいようで、レタスがほんの少し前まで「玉ちしゃ」と呼ばれていた所以です。
学名の「Lactuca sativa」はラテン語で「乳」の意味ですが、レタスの茎を切ると白い乳液を出すことに由来しています。
「本草綱目」には「筋骨を補い、五臓の働きをよくし、気のふさがりを開き、経脈を通じ、歯を白くし、耳や目をさとくす。熱毒や酒毒を解き、頻尿、口渇を治し、腸の働きをよくする」とあります。
科学的に見ても、ビタミンはA 、B1・B2・C を、ミネラルは、カリウム、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄を多く含有しています。
特に多く含まれているマグネシウムは、筋肉組織、脳・神経組織の新陳代謝を活性化させ、これらの組織の健全性を保つ重要な働きをします。
また、茎に含まれる乳汁中のラクッコピコリンには、精神安定作用と入眠作用があり、レタスが「頭の疲れを癒す野莱」「鎮静作用を有する野菜」と苦から言われるのが首肯できます。
また、ヨーロッパでは、「レタスは恋の炎を鎮める」効能は制淫作用があると言われるのも、レタスの鎮静作用の成せる業でしょう。
だから、ご主人の浮気封じにはもってこいの野菜で、毎日、にんじん、りんごと共に、レタス50~100g をジュースにして飲ませると、伝書鳩よろしくご帰宅なさるのは間違いありません。
また、神経の高ぶりを抑えてくれるので、不安神経症、ヒステリー、心悸克進、痙攣にも効果があるわけです。
ただし、葉菜であるレタスは、漢方で言う体を冷やす陰性食物。「本草綱目」にも「病人や冷え性、産後の人が食べると腹を冷やし、腸を痛める」とあるので、冷え性の人が生食するのは禁物です。