意外に知られていない「さば」の知識
さば科。近海魚の1つで、日本各地の沿岸にいる まさば と、中部以南にいる南方系の ごまさば が代表的なもの。
さば の語源は、歯が小さいことから「狭歯」と呼ばれていたためですが、そのわりには大食漢で、エサ(主にいわしなど)をあればあるだけ食べてしまうのは、 さば の内臓には酵素類が豊富に含まれているためです。
しかし、水から引き揚げられると、その酵素類が自分自身の腐敗にも拍車をかけ、「さば の生き腐れ」外見は生きがよく見えても内部は腐っている、という現象が起こるわけです。
さば の肉にはヒスチジンが多く、腐りはじめる時に多量のヒスタミンが生成され、アレルギー様中毒(俗にさば に酔う、と言う) になったり、じんましんが出たりします。それでも人気があるのは、「秋さばは嫁に食わすな」と姑に言わせるほど美味なためです。
秋に旨いのは、夏は脂質が数 % しか含まれていないのに、10~11月になると 20% にも達するためです。ただ、関西では産卵後の春が旬とされ、「春さば」が旨いと言われています。
さば の脂質は、
また、ビタミンB2や鉄分(特に血合いにも多いので美肌効果があり、また貧血の改善にも役立ちます。
さば は「鯖」と書くように、新鮮なものは目が透き通って、体が青光りしてエラが赤紅色をしており、身を指で押すと弾力があるので、店頭で選ぶ時の基準にするとよいでしょう。
ちなみに、「鯖を読む」とは「数をごまかす」ことを言いますが、それはさば が大量に捕れる上、腐りやすく、冷蔵方法がなかった昔は、魚屋さんが急いで数えて売りさばかなければならず、その数え方が大雑把であったために、「数をごまかす」ことが多かったこと、また、買うほうも、つい数をごまかされてしまうことから広まった言葉だとされています。