食材の知識 さんま

意外に知られていない「さんま」の知識

新鮮な「さんま」

夏バテを吹き飛ばす栄養豊富な秋の魚

効能
  • 栄養補給
  • 血栓予防
  • 骨粗鬆症予防
  • 品品貧血改善
春・秋

さんま科。さんま を「秋刀魚」と書くのは、「細い身がキラリと刀のように光る秋の魚」という意味が込められています

樺太( サハリン )付近の親潮で若魚に育つ さんま は、食卓に並ぶ大きさ( 25~27 cm ) になるまで 3 ~ 4 年を要します。

毎年、秋には産卵のため群れを成して南下を始め、 8 月には北海道の東に移動し 10 月には三陸沖、銚子沖を下り、房総沖に到達する頃が最盛期です。

12 月 ~ 1 月は近畿、四国を経て九州に下ってきます。北海道で 8 月に捕れるサンマの脂質の含有量は 10 % 程度ですが 10 月に房総沖で捕れるものは、約 20 % に増加し、脂の含有量が多くなるほど旨くなります。

つまり、小さくても太いものが旨いわけです。また、下アゴがオリーブ色の雌のほうが、オレンジ色をしている雄よりも旨いというのが定説です。

江戸時代から「さんまが出るとあんまが引っ込む」とか「秋のさんまは孕みみ女に見せるな」とか言われるほど、栄養価と健康効果の高い魚です。前者は「秋になって さんま が豊富に食卓に出るようになると、夏バテも吹き飛び、肩こりや腰の痛みがとれる」という意味で、後者は「秋の さんま は栄養がありすぎるので、妊婦は栄養過多になり、かえって体によくない」ことを警告していると思われます。

さんま のタンパク質を構成するアミノ酸は質・量共にすぐれ、脂肪の 80 % を占める EPA、DHA オレイン酸 などが血栓を予防し、脳の働きを高めてくれます。

ビタミンもA ビタミンD ビタミンE ビタミンB12 が多く含まれており、腸でカルシウムとリンの吸収を促進、骨を強くし、骨粗鬆症を防ぐ ビタミンD の豊富さは、特筆に値します。造血 ビタミンの B12 は、血合いに特に多く含まれています。

また、少々苦味がありますが、腹ワタには レチノール ( ビタミンA ) が豊富に含まれるので、多食すると免疫力の向上や抗ガン効果が期待できます。 ビタミンE も多く、末梢の血行をよくして体を温める他、不妊症や精子の機能低下の改善、老化予防に役立ちます。

さんま のように高タンパク・高脂肪の魚を直火で焼くと発ガン物質( トリプP-1 ) が生成される心配がありますが、 ビタミンC がこれを解毒するので、さんま にレモン大根おろしを添えるとよいでしょう。

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