食材の知識 海藻

意外に知られていない海藻の知識

新鮮な「海藻」

太古から日本人が食べてきた海の“野菜”

効能
  • コレステロール低下
  • 若さを保つ

日本人は海藻をよく食べます。そして、海藻や小魚を多食する地方には長寿者が多くいます。日本人が海藻を食べるようになった歴史は古く、石器時代から海藻を魚介類と共に食料にしていたようです。「万葉集」にも「藻塩焼く」煙が、よく登場します。

海藻類は、褐藻類(こんぶ、わかめ、ひじき、もずく) と紅藻類(浅草のり、てんぐさ)、緑藻類(青のり)の3つに大別されますが、わかめ、こんぶ、のりの3つで、日本の全海藻の生産量の90%を占めます。

また、海藻は野菜と同じく、クロロフィル(葉緑素)を有し、光合成により生育するので、栄養成分も両者はよく似ていますが、総合的な栄養価、健康に資する効力とも海藻のほうが野菜よりずっと上です。

海藻には、たんぱく質は平均して10% 前後含まれていますが、中でものりには、何と40% 近くも含まれています。海藻の旨味のもとであるアミノ酸としては、グルタミン酸(こんぶ、浅草のり)、アスパラギン酸(こんぶ、浅草のり)、アラニンン(わかめ、浅草のり)、グリシン(わかめ)などの含有がよく知られており、こんぶに含まれるラミニンには降庄作用もあります。

カイニン酸やドウモイ酸などのアミノ酸には駆虫作用もあります。また、のりにはタウリンが含まれていて降圧、強心、強肝、抗血栓、抗コレステロールなどの作用を発揮します。

海藻の脂質は、陸上植物と違ってEPAなどの魚介類に含まれる高度不飽和脂肪酸から成っているので、降圧、抗コレステロール、抗血栓などの作用を発揮します。炭水化物は50%含まれ、大部分が非消化性の、いわゆる食物繊維で、整腸作用、コレステロール・脂肪・糖・発ガン物質の除去・排泄作用を有します。特に褐藻類のフコイダンは、ヘパリンと同じく抗血栓作用を有し、さらに免疫力を高めて制ガン効果を発揮します。

わかめ、こんぶ、にりを水につけるとぬめりが出ますが、これは多糖類のアルギン酸の作用で、コレステロール低下、降庄、塩分や食品添加物の排泄などの作用を有しています。

ヨードは甲状腺ホルモンの原料となり、新陳代謝を高め、若さと健康を保つのに役立つからです。その他海藻には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、マンガン、マグネシウムなどが豊富に含まれていて、海水ミネラルの化身といってよいほどです。

ビタミン類は、A 、B群(B1・B2・B6)、C 、E などが、野菜中の含有量よりずっと多く含まれていますが、特にのりには、陸上植物にはほとんど存在しないビタミンB12(不足すると悪性貧血になる)も含まれています。

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なお、わかめに大量に含まれているクロロフィルは、口臭予防、コレステロール低下作用の他に、抗ガン作用も有します。モズクに特に多く含まれるセレニウムにも、強力な抗ガン効果があります。

なお東洋医学的には、海藻類は赤、濃緑、茶と濃色の陽性の外観ですので、野菜のように体を冷やすことはありません。「冷え性」の人がサラダを食べる時は、大根たまねぎをスライスし、わかめを加えて醤油味ドレッシングをかけて食べると、生野菜の冷える欠点を補え、ビタミン、ミネラルを豊富に摂取できるので、健康増進に役立ちます。

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