意外に知られていないさつまいもの知識
中央アメリカ原産のヒルガオ科の植物。日本へは1698(元禄11)年、琉球の中山国王が種子島藩主・種子島久基の求めに応じて送ったことにより伝わったとされています。
その後、救荒食品として栽培が奨励され、全国に広がっていきますが、その時の立て役者が青木昆陽( 1698〜1769年)であったのは有名な話。
漢方では、「補中益気」「寛腸通便」の作用、つまり、胃腸の働きをよくして大便の排泄をよくし、気力・体力をつける作用があるとしています。でんぷん、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖質を多量に含み、ビタミンB1やCにも富んでいます。
ビタミンCは甘ナツ並みに多く、100g 中30mgも含まれ、しかも調理による損失が少ない、という特徴があります。
米国国立ガン研究所は「さつまいも」、「かぼちゃ」、「にんじん」を毎日食べる人は、まったく食べない人に比べ肺ガン発生率が半分になる」と発表していますが、さつまいもに含まれるβ-カロテンや糖脂質のガングリオシドの抗ガン効果によるものでしょう。
さつまいも」を輪切りにした時に出てくる白いネバネバした液は「ヤラピン」という樹脂を含む物質で、便通をよくする作用があります。
また、さつまいも」にはセルロース(食物繊維)が多く含まれること、さらに「アマイド」という物質が腸内のビフィズス菌や乳酸菌の繁殖を促進してくれることが、総合的に作用してお通じがよくなるのです。ミネラルは、カリウムが多いので、塩(塩化ナトリウム)と一緒に食べると味が引き立ちますが、さつまいもを食べて胸やけする人は、塩をつけて皮のまま食べると、胸焼けを防げることが知られています。