食材の知識 トマト

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食材イメージ

真っ赤なトマトががんを予防する

色とりどりの野菜のレシピを多数掲載した野菜料理の本が目につきます。本屋さんの棚にも美しい色で目立ちます。ネットで本の一覧がでてきても野菜料理への関心の高まりでしょうか?
これらの本に特徴的なのは、緑や赤、オレンジなどさまざまな野菜のカラー写真を多用していて色がとても綺麗です。レシピとしての利用だけでなく、見ているだけで楽しく、おいしそうに見えることも、本が売れている原因かもしれません。
色とりどりの野菜の中でも一段と目をひく野菜があります。
トマトの赤、それも真紅の赤です。日本でトマトというと生で食べるのが一般的です。そして、生食用のトマトはピンク色をしています。しかし、本に載っている調理用のトマトは、生食用のものとは品種が異なり、真紅ともいえる真っ赤な赤です。
実は、この赤い色にがんを予防する成分が多く含まれているというのです。
赤い色のその成分の名前は「リコピン」といいます。トマトの赤い色をつくっている色素です。もちろん、黄色やだいだい色のトマトにも含まれますが、真っ赤なトマトほどリコピンの含有量は多くありません。
このリコピンに、がんを予防する効果があるとわかったのは、割と最近のことです。ほかのカロチノイド系の色素との違いは、体の中でビタミンAに変化しないことです。
さて、実験用のネズミに発癌物質を投与した後、水のみを与える群と、抽出したリコピンと水を与える群、同量のリコピンを含むトマトジュースを与える群に分け経過を数か月観察しましたた。
すると、水のみを与えていたネズミは、半分以上の確率で発がんしましたが、リコピンと水を与えていたネズミは3割の発がん率、トマトジュースを与えていたものは2割の発がん率にとどまったのです。
このネズミの投与量を体重換算で人間が摂取すべき量にすると、1日にトマトジュース約1缶分に相当します。
生食用のトマトでも同じ効果は期待できますが、ピンク色のトマトなので、リコピンの含有量は少減少します。
トマトジュースは真っ赤になる加工用のイタリア系品種を使用するので、手軽にトマトの赤の効能、効果を得ることができます。
しかし、日本の生食用のトマトに栄養がないというこではありません。トマトの95% はほかの野菜と同様に水分でできています。しかし、各種ビタミン、ミネラル、食物繊維などたくさんの栄養を含んでいます。
生食用では、お店で売られているミニトマトも、赤い色素を多く含んでいます。形やかわいさから、お弁当に大活躍ですが、値段の面からいっても、もっと普段の食卓にとりいれてもよい食品です。
ほかにもトマトは、肝機能を強化して解毒作用を高めるはたらきがあります。
また、便通を整え、脂肪を消化する作用があるので、ダイエットにも効果的です。トマトは、真冬でもたくさん売られていますのでいつでも食べることができます。しかし、これらの温室栽培のトマトは真夏の露地物より栄養価的に数段劣ってしまいます。リコピンの効果を利用したいのであれば、ホールトマトやトマトピューレ、トマトケチャップなどを調理に利用したほうが効果的ということになります。
さてここで1つの疑問が残ります。先の実験で、リコピンに対して、トマトジュースの方に軍配が上がったのはなぜでしょうか?自然の食品というものは、たくさんの成分が混然と溶け合い数値を超えた「クスリ効果」を発揮しているからだと思います。

リコピンのガン抑制効果がきっかけでさまざまな研究が行われ、最近ではリコピンに血圧を下げる作用があることもわかりました。ライオンの「トマト酢生活」などはトマトのリコピンを活用した血圧を下げるドリンク剤です。
酢にも降圧効果があるので2つの降圧作用をうまく利用したものです。リコピンの抗酸化作用はこれからも様々なところで注目を集めるでしょう。

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