食材の知識 薬を飲むときはグレープフルーツジュースはNG

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薬を飲むときはグレープフルーツジュースはNG

よく食後に薬を飲むときに食卓にある牛乳やお茶と一緒に薬をのんではいけないといわれますが、これは、薬の効き目が遅くなったり、効きにくくなったりするためです。逆に、一緒にのむと薬が効きすぎて、かえって危ない飲みものもあるのです。まさに、グレープフルーツジュースがその薬と一緒に飲むとNGな飲み物です。

血圧が高いため毎日降圧剤を服用している人が、ある朝、何気なくグレープフルーツジュースを飲みました。その方は、血圧を下げるにはカリウムをたくさん摂取すると言われていたので、グレープフルーツジュースを飲んだのです。
その後軽い食事をとり、降圧剤をのんで会社に出かけました。いつもならそれで調子も良く、とくに具合が悪くなったりすることはありません。ところがその日は、しばらくするとひどい目まいに襲われ、立っていられなくなってしまいました。。会社の人にも顔が真っ赤なのでどこか悪いのではないかといわれ、横になって休んでいると、1時間程で辛い症状は消失しました。

実際、カナダの研究者によって行われた実験でも、これを裏付ける結果報告がされています。降圧剤を服用するのに、それぞれ、水、オレンジジュース、グレープフルーツジュースでのんでもらいました。そうすると、グレープフルーツジュースでのんだ人だけ血液中の薬の濃度が上がり、今までにない程血圧が下がってしまったのです。では、どうしてグレープフルーツジュースをのむと、薬が効きすぎてしまでしょうか?
その原因は、「フラボノイド」といわれる成分によります。グレープフルーツ独特のあの苦みになっている成分です。通常、口からのんだ薬は食道を通って胃に入り、胃から腸へと移る過程で溶け、十二指腸から小腸の間で吸収されます。

腸で吸収された薬は、静脈を通って肝臓へ運ばれます。肝臓には、異物や体に不必要な物質を解毒するはたらきがあるため、薬もそこで分解されることになります。

ただ、一度では分解しきれないので、血液の循環に従って何度も肝臓を通過しながら徐々に消化吸収されます。。フラボノイドはこの肝臓の解毒作用をストップさせてしまうのです。そのため、ひどいときには血液中の濃度が丁度よい濃度の何倍にもなり、副作用を引き起す危険性もあるほどです。

しかし、全ての薬にこういった相互作用が起きるわけではありません。いまわかっているものでは、降圧薬のほか、精神安定薬や免疫抑制薬の危険性が指摘されています。
薬を服用する際には、グレープフルーツジュースに気をつけたほうがいいでしょう。最近は、お薬手帳などに自分が服用する薬の作用や副作用が丁寧に明記されているのでしっかり読むようにしましょう。

>発想を転換して、グレープフルーツジュースの作用をいかし、いままでよりも少ない量の薬で、効き目をコントロールすることはできないかという研究もすすめられています。いずれ、「降圧薬はグレープフルーツジュースと一緒にのんで下さい」というように、薬の処方の仕方も変わってくる時代も来るかもしれません。それまでは、服用前のグレープフルーツの飲食は我慢しなければいけません。どうしても飲みたい、食べたいという場合には、薬が肝臓を完全に通過し終わる2~3時間後です。

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