食材の知識 大豆の栄養を最大限にとりこむ豆もやし

意外に知られていない食材別の知識

食材イメージ

大豆は血液をさらさらにする健康食材

日本人は昔から大豆をよく食べてきた民族ですが、いま世界中でこの豆に対する評価が高まっています。

大豆が世界的にも注目されている

最近の研究で明らかにされてきている効果を列挙してみると、まず大豆食は血液の内容をよくする。コレステロールを下げます。損傷した血管を元の状態にもどす助けをします。インシュリンの調整や血糖値の安定の助けとなり、腸の働きをよくします。また胃がんや胆石を予防する作用も働いています。

イタリアではミラノ大学過類脂質血症研究センターの科学者たちが1972年から大豆の研究を行っています。長い時間、大豆の研究が行われています。

彼らは遺伝的に血中コレステロール値の高い家系の人たちに、肉および乳製品の代わりに大豆を食べさせて効果を調べ、一貫して大豆が血中コレステロール値を下げることを確かめているのです。悪玉コレステロールのLDLがつねに15~20%下がることがわかっています。

また彼らの研究によって、高脂肪食の影響を大豆が軽減することもわかりました。通常の食事に卵を2個余計に加えて(それでコレステロールが500mg増えることになる) 大豆の効果を確かめました。すると驚いたことに大豆が卵を抑えてしまったのです。500mgも余計にコレステロールをとっているのに、血中コレステロール値は上がらないという結果になったのです。

大豆によってコレステロール値が正常域まで下がった方々を元の食事にもどした研究でも、おもしろい結果が出ています。従来どおり肉や乳製品を食べ、ただし、週に6回だけ大豆蛋白もとるという食事を2年間つづけてもらって変化を調査しました。

すると2年間のあいだ、コレステロール値は正常域に安定したままでした。大豆食品の代表といえばまず豆腐ですが、納豆、おから、豆乳、みそ、湯葉など、大豆食品の数が多く、わが国は食の環境としては非常に恵まれていると言えるでしょう。

パン食にももやしは合う

ただ、パン食が増えていくと、こういう食品が食卓に登場する回数は減っしまいます。また肉食が増えても減る傾向です。統計的事実として豆をたくさん食べる人は肉が減り、肉をたくさん食べる人は豆が減るという関係にあるからです。

そこでまず、パンにも合う大豆食を工夫したいのだが、すすめられるのは自家製のもやしでしょう。ちなみに、八百屋で売っているもやしは大豆のもやしではなく、インド産のブラックマッペという豆のもやしです。

特におすすめるもやしは、市販のもののようにひよろひょろ芽を伸ばさせないタイプです。芽の長さが豆自体よりも長くならない時点で収穫します。そのとき豆の栄養が最大になっているのです。

つくり方は、大豆を半日から16時間水につけ、ザルにあけてポリ袋をかぶせておきます。ザルを置いておく場所は室内であればどこでもよく、暗いところより明るい窓辺のほうがよいでしょう。ケアは1日に2~3回ザルごと水洗いするだけです。気温によって違いますが2日から6日で収穫できる芽の長さになります。(芽の長さが豆の半分より長く豆よりも短いときが最適)。

これを約15分間蒸して、そのまま食べます。発芽しているために消化がよく、ビタミンも乾燥時より増えていて、大豆の栄養を最大限に丸ごととり込む食べ方です。そしてこれは、ご飯にもパンにも合うのが最大のメリットです

いま1つ は豆類が、高濃度に蛋白質分解酵素のプロテアーゼの抑制因子をふくんでいる点です。このプロテアーゼ抑制因子は、腸内の発癌物質の働きに対抗すると考えられています。

ニューヨーク大学では、ラットに豆を食べさせてその効果を確かめています。乳癌を発病させることが知られている強力なX線を照射して対照群と比較しています。

その結果、豆を食べているほうは44% の発病にとどまったのに対して、食べていなかったほうは74% の発病が確認されました。

ふだんからよく豆を食べていればガンになりにくいというのであって、ガンになった人が急に豆を食べはじめても効果はないことが実験で判明しました。

豆が血糖値を安定させるのは、その水溶性の食物繊維が胃に膜をつくって、ゆっくり糖が吸収されるようにするからです。だから体はあまりインシュリンを出さなくても血糖値を安定させることができるのです。

1日に1種類は食べたい大豆製品「大豆」

リンク

お気に入りのサイトです。

ページのトップへ戻る