意外に知られていない食材別の知識
塩といえば、味をつける調味料と考えるのが一般的ですが。塩には、味をつける以外にも、防腐作用や脱水作用など、さまざまなはたらきがあります。また、16種類の必須ミネラルを含んでおり、栄養的な面からみても、人体に必要不可欠です。ところが、現在市販されている塩のほとんどは、これらのミネラル分がほとんど含まれません。そもそも、塩は海からとれる食品なので、海水に含まれるミネラル分がそのまま含まれていました。ところが、海水の汚染の影響を防ぐことと、塩のコスト低下をはかった製塩技術の発達などにより、製塩の過程で、ミネラル分のほとんどが失われてしまうようになりました。の主成分は塩化ナトリウムです。この成分も、ミネラルの仲間として数え上げられます。昔は、塩といえば、この塩化ナトリウムが80% 前後、残りの20%は、マグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄、銅、ニッケルなどのミネラル成分でした。今、塩の塩化ナトリウム純度は99.5% 。それ以外のミネラルとして、わずかな量のカルシウムを含むのみです。ただし、昔ながらの自然塩として売り出されているものには、当然、ミネラルが十分に含まれています。自然塩を使って味付けすると、料理の味がまろやかになるといわれるのはそのためです。昔は、塩の取り合いがきっかけで戦争になったり、お金の代りとして珍重されたりしていたといわれますが、調味料の効果に加え、豊富なミネラルなどによる、塩本来の効能に由来するのでしょう。実際、塩は、体内で生命活動に欠かせない重要なはたらきをしています。細胞内と細胞外の間で、栄養分や老廃物のやりとりが行われる際に塩は不可欠です。細胞内にはカリウムが多く含まれていて、細胞外液にはナトリウムが多く含まれています。塩の成分であるナトリウムの量が増えたり減ったりすることによって、浸透圧がはたらき、細胞内にある物質と、細胞外の物質の入れ替えができるのです。このほか、筋肉や神経の興奮を伝えたり、腎臓の機能を維持したりするはたらきもあります。これにミネラルが含まれていれば、疲れをとる、集中力を促すなどの効果を期待できます。
朝、起きると顔がむくんでいる(塩分摂りすぎ)人は塩分の過剰摂取をチェックしてみましょう!
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