食材の知識 大豆の栄養を最大限にとりこむ豆もやし

意外に知られていない食材別の知識

食材イメージ

もやし料理のコツは弱火でじっくり炒める

日本と中国のもやしのイメージの違い

大豆の栄養を最大限にとりこむ豆もやしでも紹介していますが、もやしにはまだまだ解明されていない効能や効果が隠れています。そして、この栄養価がたくさん含まれるもやしについ最大限に効果を上げる調理方法が大切になってきます。

中国と日本は、近くて遠い国です。食に関しても、違っているところがたくさんあります。日本では五目チャーハンなどのように、「五目」を付けた料理がいろいろあります。これは、なんとなく中国から来たもののように考えていらっしやるかもしれません。ですが、五目は、日本生まれの料理であり、中国には全くないものです。

もやしについても、日本と中国では、イメージがかなり違います。日本では、もやしは、安くて、つまらない野菜のように見られているのではないでしょうか。「安い料理=もやし料理」というように。ちょっともやしがかわいそうだと思います。

中国の人たちは、もやしに対して、そうしたよくないイメージは持っていません。むしろ、春を象徴する野菜として、苦から珍重されてきたのです。

中国では、二十四節気の1つである立春に、もやしを食べる習慣があります。立春は、毎年、2月4日か5日ですから、本格的な春の訪れは、まだしばらく先です。北京の人たちは、緑もチいそんな時期に、春餅を作って食べます。春餅とは、小麦粉を伸ばして焼いたもので、この春餅に必ず入れられるのが、もやしなのです。

もやしは、前年から食べ続けてきた保存野菜に別れを告げる、新鮮な採れたて野菜の象徴です。もやしという新しい芽を食べることが、春が近いことを感じさせ、長い冬が終わる解放感も味わわせてくれるのです。

さて、もやしの妙め方についてお話しします。皆さんは、とにかく強火で妙めればいいと思ってはいませんか? これは、中華料理店で大きな中華鍋を使い、強火で炒めているイメージが強いのでしょう。

いわゆる中華鍋は、中国の家庭では全く使われていません。ああいう中華鍋は、深い鍋底を包み込むような大きなコンロと、非常に強い火力があってこそ使えるもの。日本のご家庭では、なかなか使い切れないでしょう。

そこで、もやしを炒める際には、次のようにやってみてください。

まず、鍋に油を入れたら、強火で温めます。油がサラサラとしてくるまで加熱します。鍋がじゅうぶんに加熱できたら、もやしを入れ、弱火にします。

野菜を加熱するときの基本の考え方というのは、野菜自体の持っている水分を温めて、その熱で野菜自身に火を通すことでしんす。もやしの場合なら、芯まで熱くなっていくまで、じっくり時間をかけたほうがいいのです。火力や鍋の厚さなどにもよりますが、おおよそ3分程度、弱火で加熱します。

そして、もやしから水分が出てきたら、再び強火にして水分を飛ばし、塩、コショウで昧を調えます。塩を入れると、浸透圧で水が出てきてしまいますから、昧つけは必ず最後にするようにしましょう。

もやしには、みそも合います。みそ昧で仕上げたいなら、大さじ半分くらいのみそを最後に加えてみましょう。

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ひげ根をとり単独で炒める

もやしを料理する際、とても大切なのは、下ごしらえです。

日本では、もやしのひげ根を取らないことが多いようですが、少しめんどうに思われても、ぜひもやしのひげ根を取るようにしてください。

取るのと取らないのでは、昧も、仕上がりも、全く違った料理になるのです。中国では、もやしのことを、「銀針(インジェン)」といいます。銀の針という美しいイメージです。もやしは、とろみのある料理に適していますが、もやしのひげ根があっては、銀針にはならず、おいしく仕上がりません。

それから、もやしを、肉やほかの野菜と炒め合わせる際にも、もやしと肉、ほかの野菜と同時に炒めることはお勧めできません。

もやしはもやし、肉は肉で、ほかの野菜はほかの野菜だけで、それぞれ妙め、最後に鍋で合わせるようにしたほうがいいのです。それぞれの素材は、加熱されるまでに必要な時間が違います。それをいっペんに炒めてしまったら、おいしく火が通っていない食材が出てきてしまいます。

もり合わせの野菜サラダを作るようなつもりで、それぞれの素材にきちんと火を通して、最後に合わせると、よりおいしい出来上がりになると思います。まだまだ寒い日が続きますが、立春はもうすぐそこまで来ています。春を迎える野菜として、もやしを食べてみてはいかがでしょうか。

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