意外に知られていない食材別の知識
にんにくには、スタミナ回復いわゆる疲労回復などの効果があることは、よく知られています。疲れたり、夏パテでぐったりしたとき、かぜをひいた時など、にんにくを食べると元気がでるといわれています。
こうした効用に目をつけ、にんにくの成分を配合した健康食晶や強壮剤も数多くあります。
にんにくには、タンパク質、ミネラル、ビタミンB1など、代謝や体調を向上させる成分が数多く含まれています。主要成分は、「アリイン」で、酵素分解によって臭気の強いアリシンとなります。
にんにく独特の臭いがにんにくの作用であるといいっていいでしょう。独特の匂いと辛味成分は殺菌作用を持ち、生理代謝を活発にします。
アリシンが、ビタミンB1と結合するとビタミンB1としての効力が強いアリチアミンとなります。
これが「にんにくビタミンB1」です。ビタミンB1は、胃腸障害や疲労回復などに欠かせない栄養素ですが、体内に蓄積しておくことができません。しかし、にんにくに含まれるビタミンB1は、体の中に保存され、必要なときに利用することができるのです。
こういっ食品はほかに例をみないのです。ところが、人によっては、にんにくを食べると体力が回復するどころか、逆に具合が悪くなってしまう場合もあるのです。もともと体力のある人が、ちょっとパテ気味のときに食べるにんにくには効果があるのですが、あまり体力に自身のない人が食べた場合、胃腸をの調子をわるくしてしまったり、逆にビタミン欠乏症に陥ってしまったりすることがあるのです。
そういう人は、にんにくよりも一段弱い効力の、ニラやラッキョウを食べるのがいいでしょう。
「にら」や「らっきょう」は、「にんにく」と同じネギ科に属する食物です。ネギ科の食物にはもともとビタミンが豊富に含まれています。
一般に、ビタミンが不足すると疲れやすくなるので、滋養強壮にはもってこいです。また、ネギ科の食物に共通している独特の臭みと辛味だが、これらのもとになっている硫化アリルという成分のはたらきも見逃せません。
硫化アリルは、ビタミンを体に吸収しやすくします。
そのほか、酵素のはたらきを助け、消化をよくする作用や、殺菌作用などもあります。
長期間病床に伏せっていて体力が減退しているような人には、ニラやラッキョウよりもさらに効力の弱いネギなどが適しているでしょう。
ネギには先にあげた効用のほか、血液の流れをよくして体温をあげる効果もあるので、かぜのときなどにはおすすめです。