意外に知られていない食材別の知識
アブラナ科の野菜にふくまれている抗ガン成分で紹介したとおり、ガンを防ぐ体質をつくるにはアブラナ科の野菜をたっぷり食べることがとても大切です。
アブラナ科の野菜の代表である「芽キャベツ」について紹介します。
芽キャベツはアブラナ科の野菜の1つです。アブラナ科の野菜には他に、大根、かぶ、白菜などもありますが、芽キャベツ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーのビタミンCの含有量はずば抜けています。
この芽キャベツは寒い季節によい品質のものが出回ります。だから冬のあいだはいつも食卓に出ているようにしたいのですが、動物実験ではこの野菜の抗ガン効果がはっきり確かめられています。
コーネル大学の研究者たちが、ラットを3群に分けて飼育してみましたた。1群には通常の食事を与え、1群にはそれに芽キャベツをプラスして与え、いまひとつつの群にはアブラナ科の野菜に共通している成分の1つであるグルコシノレイトという物質をプラスして与えました。
そして強力な発ガン性物質として知られているアフラトキシンを投与して変化をみました。アフラトキシンは穀類やピーナッツに生じるかびの一種がつくり出す毒性物質で、発ガン性が高いために、第三世界の脅威になっているものです。
一方、グルコシノレイトには、その毒性をとり除く働きがあるのではないかと考えられています。
ラットにアフラトキシンを投与すると肝臓にガンが出来ることがわかっているのですが、実験の結果、芽キャベツの群とグルコシノレイトの群は、ほとんど悪性腫瘍をつくり出しませんでした。
それでこの2群のラットの肝臓を調べてみると、アフラトキシンの働きを抑える酵素が高濃度に存在していた。芽キャベツとグルコシノレイトは、いずれもその有益な酵素の産出を促進していたのです。
また、この研究とは別に、ミネソタ大学のリー・ワッテンペーグ専土も、動物実験で芽キャベツのの抗ガン効果を確かめています。
博士はアブラナ科の野菜がふくんでいる葉緑素、インドール、ジチオールチオン、カロテノイド色素(βカロテンはそのひとつ)、グルコシノレイトなどの物質が抗ガンに働くのではないかという考えで実験を行いました。
野菜はアブラナ科以外のものも加えて、キャベツ、かぶの葉茎、ブロッコリー、芽キャベツ、ほうれん草、アルファルファのもやしの6種類でテストしました。
実験動物にべンゾピリンという発ガン性物質を投与して効果を調査したのですが、最も高い抗ガン効果を示したのは芽キャベツでした。2位のキャベツの2倍の効果だったのです。
そして、この研究でも、ガン化を防ぐ働きをする肝臓内の酵素の量が増えていることが確かめられました。
この芽キャベツの調理法としては、水なしで蒸す方法がすすめられます。それならば、ゆでたり蒸したりする過程で水溶性の成分が失われることもないし、加熱も最低限ですむので、栄養素が最大限に守られるのです。熱による破壊がすすむ前に調理が終わっているからですなべステンレスの多層構造鍋があると、かんたんに水なしで蒸せます。芽キャベツは洗って根元に十字の切り込みを入れておいてください。
鍋にふたをして空のまま強火で1分間熱する。芽キャベツを入れてふたをし、強火で3分さら加熱します。火を止めてそのまま1分間おいて、皿にとります。これで出来上がりです。そのまま食べてもおいしいのですが、カレー粉をまぶしておいてもおいしいです。冷蔵庫で何日か保つので2~3日なら保存可能なので、いつも食卓に出せます。
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