意外に知られていない食材別の知識
緑茶にO-157の殺菌効果があると報道されてから、売上がこれまでの2倍も伸びたといわれる緑茶ですが、その独特の味の渋味になっている「カテキン」という成分には、殺菌作用に加えてO-157のベロ毒素を抑え解毒する働きに注目が集まります。 p>
ほかにもコレラ菌、腸炎ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌を殺菌するし、インフルエンザの予防に有効です。さらにMRSA感染症、水虫やタムシの治療に効果があります。
その昔から、お茶は健康飲料として、その効能を研究され続けてきましたた。なかでもカテキンは、血圧やコレステロールを下げる、口臭を防止するなど、さまざまなはたらきがあることで知られていますが、ここ最近では、老化を防ぐ、また、がんを予防することでも注目されています。
このはたらきは抗酸化作用といわれるもので加齢を抑制し、老化をひきおこす1つの原因として、体の中の脂肪が酸化し、過酸化脂質に変わることがあげられます。脂肪を酸化させるはたらきをするのは「フリーラジカル」とよばれているもので、これは細胞膜や遺伝子(DNA)を酸化し、損傷する。このフリーラジカルを生成するのが体内で発生する活性酸素です。カチキンは、活性酸素に反応して消去し、フリーラジカルの作用を防ぎます。
お茶にはほかに糖尿病を防ぐ作用がありますが、これはカテキンではなく茶の中の多糖類のはたらきです。緑茶の成分には、このほかフラボノールやビタミンC 、ミネラルなども含まれていますが、これらにもカテキン同様、活性酸素と反応する抗酸化作用のはたらきがみられます。
まさに、お茶はほかの食品に例をみない抗酸化食品の王様です。カテキンをはじめとしてこれらの物質はいずれも温湯に溶けるので茶葉から溶出して飲用されます。煎茶以外に、番茶、玉露、ウ一口ン茶、プーアール茶にもカテキンは含まれているのでどれを飲んでもOKです。
また、細胞レベルによる実験の段階ではあるが、アルツハイマー症の予防にも効果のあることが報告されています。カテキンに、アルツハイマー症の発症原因といわれる「β-アミロイド」の毒性を抑えるはたらきがあるというものです。これからの日本の高齢化にもひとやく買ってくれるかもしれません。
お茶にはまだまだ優れた部分があります。お茶の葉は、糖質のようにエネルギー源となる物質を含まない繊維質なので、ダイエット中の女性にも最適です。太らないのでたくさん食べられます。ただ、繊維はもちろん、葉に含まれるタンパク質やビタミンE 、β-カロチンなどの栄養素は、水溶性ではないため茶殻のなかに残ってしまいます。こういった栄養素も全てとりたい場合には、お茶の葉そのまま食べるか、粉末にし、抹茶のようにして飲めばいいでしょう。ふりかけにすると丸ごと食べられますし、じゃこなどを入れればカルシウムも補うことができます。
また、お茶には、眠気防止や強心作用などのはたらきがあるカフェインが含まれています。カフェインは多量にとると動悸、めまいなどの中毒作用があることでも知られていますが、お茶に含まれる量はごく微量です。一過性の中毒を起こすとされているカフェインの量が、1日に300~500ミリグラム以上とされているのに対して、緑茶1杯に含まれるカフェインの量は30~40ミリグラム。
コーヒー1杯に比べると、3分の1程度の量です。また、香りの成分によるアロマテラピーの効果も期待できるというから、精神的に疲れを感じたときにもいいでしょう。さまざまな健康飲料水が巷にあふれているが、改めて、日本古来のお茶の超優良食品ぶりにもっと目を向けるべきかもしれません。
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